裂肛はよく再発するのも特徴の一つです。裂肛になる人は元来、肛門の皮膚(肛門上皮)が弱く裂けやすいので、ちょっと硬い便が出ただけでも傷が生じます。
普通の人ですとすぐ治ってしまうのですが、ここが弱い人たちは、次の排便で次々に切れるということになり、裂肛がそこにできてしまうことになります。
便秘傾向の強い人は便が硬くなり、この場合はたとえ丈夫な肛門上皮でも傷がつきやすく、その上便も太めのものが出るので、いっそう切れやすくなります。
女性は、前方の組織が弱く伸びが悪いので、ちょっとしたことで切れて固定化し裂肛になります。女性は便秘の人が多いので、再発率も高くなります。仕事や家事の関係などで、どうしても規則正しく排便しにくい人もいます。
旅行の多くなる仕事についている人も、規則的に排便できない状態になりがちです。タクシーの運転手・看護婦・育児中の人たちもそれらにあてはまります。
その他、肛門が狭い人、裂肛が治った後が瘢痕(はんこん)といって固い組織になった人も再発しやすいのです。この部分で肛門が締めつけられ肛門狭窄(こうもんきょうさく)となります。こうなると便通の際切れやすく、とくに瘢痕部分はもろくなっており、切れやすいのです。
また一度慢性化した裂肛は、内方に肛門ポリープ、外方にスキンタグを生じますが、肛門ポリープは排便のたびに脱出しその部分の皮膚を裂きます。スキンタグは外にあって、そこに汚物がたまりやすくなっています。これも再発しやすい傾向となります。
最近の食生活は、植物繊維の少ない、そして肛門を刺激するような食事の内容になってきており、偏食傾向も加わって便秘を起こし、裂肛を生じます。このようなことから、裂肛は現代病の一種といえそうです。
他の痔がある場合、たとえば痔核・肛門ポリープなどの腫瘤状のものが排便時に脱出し裂けて裂肛を起しやすくします。
以上のことから、裂肛を繰り返し起しやすい傾向の人は、日頃から毎日の生活に注意を払い、もし切れたらなるべく早く受診し治療に取りかかるようにしなければなりません。あまり頻繁に再発を繰り返す人は、やはり手術ということになります。