院長挨拶

2024年を迎えて

2023年は、5月から新型コロナウィルス感染症が5類に引き下げられ、医療機関における対応や社会的な対応(マスク着用の強制や入場制限など)がなくなりました。しかし、感染症は常に私たちの周りに存在しており、2023年12月時点では、新型コロナウィルス感染症の10倍以上にあたるインフルエンザウィルス感染症が報告されています。また、カンピロバクター腸炎やサルモネラ、腸管出血性大腸菌(O-157など)の患者様も当院の外来を受診されました。これからも標準予防策を遵守しつつ、感染症予防に努めていくことが必要です。

くるめ病院は大腸肛門の専門病院として、肛門疾患をはじめ大腸がん診療、大腸ポリープの内視鏡診断と治療、炎症性腸疾患の診断と治療、便秘や便失禁、機能性下痢症などの大腸肛門機能障害まで幅広く対応しております。この分野においては多くの患者様にご来院いただいており、皆様に貢献できているものと自負しておりますが、専門領域だけでは地域への十分な貢献ができていないと考え、現在は排泄障害を抱える高齢者の方々を中心とした受け入れも行っております。例えば、はっきりとした病気ではないけれど、自宅での日常生活が困難となった「サブアキュート」や、なんらかの疾患で急性期病院に入院して回復はしたものの、まだ自宅や施設に戻るには不安が残る「ポストアキュート」、また、介護者の方の負担軽減を図るための「レスパイト入院」などにも対応しております。

当院は開設してから35年が経過し、最新の医療に対応する上で課題が増えつつあります。気候変動により毎年頻発する水害などへの対応も不可欠です。これまでは改修により対応してまいりましたが、今年は本格的なリニューアルに着手し、より一層の向上を目指したいと考えております。

今後も地域医療や専門分野の知識・技術の向上に努め、地域や全国で大腸肛門疾患や排泄に悩む方々のお役に立てるよう頑張っていく所存です。どうぞよろしくお願いいたします。

社会医療法人社団高野会くるめ病院
院長 野明 俊裕