クローン病とは?

クローン病は、原因不明の慢性非特異性炎症疾患で、口腔から肛門までの消化管のあらゆる部位におこります。下痢・体重減少があり、消化管X線検査や内視鏡検査で、縦走潰瘍・敷石像・アフタ性潰瘍・ろう孔形成などの所見がみられます。

主な原因は?

クローン病の原因はまだ完全にはわかっていません。
遺伝的な要因、細菌や麻疹ウイルスによる感染症説、食事中のある成分が腸管粘膜に異常な反応をひきおこしているという説、腸管の微小な血管の血流障害説などが報告されていますが、いずれもはっきりとしていません。

症状

主な症状は、下痢・腹痛といった腹部の消化器症状が中心ですが、発熱や体重減少などの全身症状が生じる場合もあります。

治療法

内科的治療では、成分栄養による経腸的成分栄養療法が1次的治療となっています。
外科的治療は、症状の原因となっている部分に外科的処置を加え、症状の改善を図ることを目的とします。
適切な手術を行うことで、QOL(生活の質)に大きな恩恵をもたらします。

抗TNFα抗体製剤による治療(生物学的製剤)については、こちらをご覧ください。

よくいただくご質問

くるめ病院にお寄せいただいた、さまざまなご質問にお答えしています。
その他のご質問やご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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クローン病は完治する病気なのでしょうか?


クローン病については、さまざまな治療法が近年開発されていますが、完全に治すための治療法(根治)は、残念ながら今のところありません。
長期にわたって症状がない状態を表す「寛解(かんかい)」をめざした治療が行われ、主な内科治療法としては、薬物療法と栄養療法があります。
こういった背景から長期にわたってクローン病と「うまくつきあっていくこと」が必要です。

医学は日進月歩であり、近年の医学の進歩・発展には目覚ましいものがあります。
現在の寛解を維持することで、将来根治治療が完成した際に、さらなる効果が期待できると考えます。


「指定難病」とは何でしょうか?


まず「難病」とは、発病の原因が明らかになっていないため、治療方法が確立しておらず、長期の療養を必要とする疾患を表します。
例えば、消化器系疾患では、クローン病や潰瘍性大腸炎などが難病となり、定期的な通院・服薬や食事等の自己管理が必要です。

また、

国が「難病の患者に対する医療等に関する法律」に定められる基準に基づいて医療費助成制度の対象としている難病を「指定難病」と呼びます。
難病法によって、医療費助成の対象となります。詳細は、下のリンクからご覧ください。


厚生労働省「指定難病の要件について」(PDF)


指定難病申請のための検査・診断は、くるめ病院で可能ですか?


はい、可能です。
くるめ病院は、難病指定医療機関となっており、診断書(臨床個人調査票)の発行が可能です。
なお診断書作成には、血液検査や内視鏡検査などの必要な検査を受けていただく必要があります。
詳しくは、お問い合わせください。


普段の食事はどうしたらよいでしょうか?


クローン病は、発病の理由・原因が未だわかっていない病気ですが、再燃に食べ物の影響があると考えられています。
なるべく消化がよく、腸に負担をかけない食事を心がけ、炭水化物を中心に脂肪や刺激物を控えめの副菜を組み合わせましょう。
一般的には「低脂肪・高エネルギー、低残渣、高ビタミン・ミネラル」なものが比較的安全とされる食品といわれていますが、どの患者様にも共通する「食べて良い食品」「食べてはいけない食品」はありません。

あまりナーバスにならず、ご自身の病態に影響しやすい食品を日頃からみつけ、症状を安定させるようにしましょう。
病気と上手につきあっていくためにも、バランスの良い食事を心がけることが大切です。

◯ 比較的安全とされる食品
米、もち、うどんなど
炭水化物は高エネルギー食のため、1日に必要なエネルギー量の60%程度摂ることが望ましいとされています。

α-リノレン酸系の油
抗炎症作用があるといわれます(例:しそ油、えごま油など)

りんご、桃、バナナ
水溶性食物繊維は、便の形状を整えます(狭窄のある方はご注意下さい)

✕ 避けた方が良いとされる食品
牛・豚・バター・ラード
動物性の脂肪(鶏をのぞく)は下痢を誘発しやすく、再燃の引き金といわれています。

きのこ、ごぼう、もやし
溶けにくい食物繊維は、腸粘膜を刺激したり、腸管につまりやすくなります。

ごま・ピーナツ
種実類は繊維が固く、脂質が多い食品です。

食品成分データベース

文部科学省によ食品成分に関するデータベース。
食品のエネルギーや脂質の量などを簡単に調べることができます。


お酒やたばこが与えるクローン病への影響は?


まず、クローン病の活動期には、お酒を飲むのを控えたほうがよいでしょう。
非活動期には、ストレス解消のために少量なら可能ですが、原則としてアルコールは腸管の粘膜に障害性を示し、病状が悪化する可能性があります。
実際には飲み始めれば一杯のつもりが多くなってしまうことがあり得ると思いますので、現時点ではアルコールは控えたほうがよいでしょうと言わざるを得ません。

つぎにたばこですが、クローン病の患者様は原則禁煙です。
喫煙するとクローン病が悪化するエビデンス(根拠・証明)があり、喫煙を続けると腸が狭窄し、手術を受けていただく可能性が上がります。
さらにたばこは、胃がん、大腸がん、食道がん、咽頭がんなどのリスクを上げたり『受動喫煙により、子どもがクローン病になりやすくなる』という症例もあり、患者様ご自身をはじめ、ご家族の喫煙も止めるべきと言わざるを得ません。


肛門が痛むのですが、クローン病の可能性はあるのでしょうか?


クローン病は、口、食道、胃、十二指腸、小腸、肛門までの消化管全体にみられます。腸の縦方向に潰瘍ができたり、敷石(しきいし)のように見える潰瘍ができたり、連続性のない潰瘍が飛び飛びにできたりするのが特徴です。視診をはじめ、血液検査や大腸内視鏡検査、CTによる検査等で診断する必要があります。

また、慢性的な炎症などで肛門が痛んだり、膿(うみ)が出たりするような症状の場合は、肛門周囲膿瘍や痔瘻(じろう)になっている可能性がありますので、ご自身で判断するのではなく、専門病院を受診してください。