骨盤痛とは?

陰部神経は、肛門・肛門挙筋・肛門括約筋・骨盤底筋・直腸を支配しており、 腰仙骨や椎間板の異常によって疼痛症状が発現し、陰部神経痛となります。 骨盤痛、尾てい骨痛、肛門痛といわれていたものの多くは、陰部神経痛です。

検査法

直腸肛門の指診、生理学的検査、腰仙椎骨・軟骨・神経の画像検査(X線検査、MRI)などがあります。

治療法

薬物治療(鎮痛剤、鎮静剤、筋肉弛緩剤)を施行し、 効果が不十分なときには、神経ブロック(陰部神経や仙椎に局部麻酔薬を注入して痛みを和らげる)を施行します。

よくいただくご質問

くるめ病院にお寄せいただいた、骨盤痛(陰部神経痛)に関するご質問にお答えしています。
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骨盤痛を放っておくと、どうなりますか?


骨盤痛を放置すると、以下のような影響や問題が生じる可能性があります。

痛みの慢性化
骨盤痛が長期間続くと、骨盤内うっ血症候群や慢性骨盤痛症候群に進展することがあります。この状態になると痛みが持続的になり、治療が難しくなる場合があります。
日常生活への支障
痛みによって動作が制限され、座る、立つ、歩くなどの基本的な活動が難しくなることがあります。その結果、仕事や家事に支障をきたす可能性があります
他の部位への影響
骨盤周囲の筋肉や関節が痛みをかばうことで、腰や背中、股関節、膝などに負担がかかり、新たな痛みや不調を引き起こすことがあります。
筋力や関節機能の低下
痛みのために運動を避けると、骨盤周りの筋肉が弱まり、関節の働きが低下することがあります。その結果、将来的にさらに痛みや不安定さが生じるリスクが高くなります。

放置することで治療が難しくなるだけでなく、生活の質が低下する恐れがあります。気になる症状がある場合は、早めに診断を受け、適切な治療を行いましょう。


雨の日に骨盤が痛みます。骨盤痛は天気と関係がありますか?


骨盤痛と天気には関係がある場合があり、特に雨の日や台風の前後など、気圧が低下するタイミングで骨盤痛が悪化すると感じる人が多くなります。
これは、気圧の変化が体内の圧力バランスに影響を与え、神経や血管、筋肉に負担をかけることが原因と考えられています。

気圧が下がると体内の血流が滞りやすくなり、筋肉や関節が硬くなることがあります。また、冷えや湿気が筋肉や靭帯の緊張を高め、骨盤周囲に痛みを感じることにつながることもあります。これに加え、気圧の変化が自律神経を刺激し、痛みに対する感受性が高まることも関係しています。

対策として、体を温める、軽いストレッチを行う、適度な運動で血流を促進するなどの方法が効果的です。


妊娠すると骨盤痛になりやすいですか?


妊娠と骨盤痛には密接な関係があり、妊娠中や産後には骨盤痛が起こりやすくなります。

妊娠中は、ホルモン「リラキシン」の分泌により骨盤周辺の靭帯が緩み、骨盤が不安定になります。さらに、体重増加やお腹が大きくなることで姿勢が変化し、骨盤や周囲の筋肉、関節に負担がかかりやすくなります。また、胎児の成長や位置が神経や組織を圧迫することで痛みが生じることもあります。

産後は、出産時の骨盤や筋肉への負担が原因で痛みが続くことがあります。骨盤底筋の損傷や骨盤の不安定さが影響することもあります。これらの痛みは自然に改善する場合もありますが、骨盤ベルトの使用や適切なエクササイズで予防・改善が可能です。

症状が強い場合は、専門医の受診をご検討ください。


骨盤痛を和らげるセルフケアはありますか?


骨盤痛を和らげるためのセルフケアには、さまざまな方法があります。

温熱療法
ホットパックや湯たんぽを使って骨盤周辺を温めることで、筋肉の緊張をほぐし、血流を促進して痛みを和らげます。
ストレッチ・エクササイズ
ケーゲル体操やヨガなどは、骨盤周囲の筋肉を伸ばしたり強化することで、痛みを軽減する効果があります。ウォーキングやアクアビクスは、無理なく骨盤周りの筋肉をほぐし、血流を改善します。
姿勢を良くする
座るときは骨盤を立てるよう意識し、背筋を伸ばします。長時間の座位や立位を避け、定期的に体を動かします。
冷えの対策
冷えは筋肉を硬くし痛みを悪化させるため、体を温める服装や適切な室温を保つよう心がけましょう。
リラックスする
ストレスを軽減するため、深呼吸や瞑想を取り入れると、体全体の緊張が和らぎます。

痛みが強い場合やセルフケアで改善しない場合は、無理をせず早めに医師の診察を受けてください。


加齢によって骨盤痛は起こりやすくなりますか?


加齢は骨盤痛に深く関係しています。年齢を重ねると、骨盤周囲の筋力や柔軟性が低下し、骨盤を支える骨盤底筋群や靭帯が弱くなります。また、骨密度の減少による骨粗しょう症や関節の変形性疾患が発症しやすくなり、骨盤や周辺部位に痛みを引き起こす要因となります。

さらに、女性の場合、閉経後のホルモンバランスの変化(エストロゲンの減少)が骨密度や筋力に影響を与え、痛みのリスクを高めます。また、加齢に伴う慢性疾患(子宮内膜症、坐骨神経痛など)も骨盤痛の原因となることがあります。

適切な運動で筋力を維持し、カルシウムやビタミンDを十分に摂取するなど、骨や筋肉の健康を保つことで、加齢による骨盤痛を予防・軽減することが可能です。