肛囲カンジダ症とは?
頻回の下痢や汗をかいた後に、肛門周辺の皮膚の抵抗力が落ちてただれたり、身の回りにいるカンジダ菌などのかび類(真菌、酵母)がはびこったものです。
症状
最初は、肛門がひりひりとしみるように痛み、次第にベトベトするようになります。肛門部が発赤し、小水疱が生じてかゆみが強くなり、分泌物が浸み出てきてきます。放置すると、肛門周囲に皮膚がゴワゴワに厚くなり、出血や化膿を起こします。
病気に気付いたら?
早めに専門医を受診してください。
肛囲カンジダ症の主な原因は何ですか?
肛囲カンジダ症の主な原因は、カンジダ属の真菌が過剰に増殖することです。これを引き起こす要因は以下のようなものがあります。
- 高温多湿の環境
- 衛生状態の悪化
- 長時間座り続ける習慣
- 肥満による皮膚の摩擦や多汗による湿気の増加
- 免疫力の低下
- 抗生物質やステロイドの長期使用
肛囲カンジダ症の治療法は?
肛囲カンジダ症の一般的な治療には、以下の方法があります。
- 抗真菌薬の使用
- 抗真菌薬が含まれる市販または処方薬を使用します。症状が重い場合や再発を繰り返す場合は、内服薬が処方されることがあります。
- 生活習慣の改善
- 長時間湿った状態(汗や排泄物による)を避け、肛門周囲を優しく洗い、清潔に保ちます。洗浄後は水分を完全に拭き取ってください。締め付けの強い下着や衣服は避け、綿素材の通気性の良いものを選びましょう。
- 基礎疾患の管理
- 糖尿病の方は、血糖値が高いことで免疫機能が低下しやすく、カンジダ感染のリスクが高まります。そのため、血糖値を適切にコントロールすることが重要です。また、免疫機能が低下している場合は、その改善に向けた治療も必要です。
症状が改善しない場合や重い症状がある場合は、専門医を受診しましょう。適切な治療を受けることで、多くの場合、速やかな改善が期待できます。
肛囲カンジダ症は、人にうつりますか?
肛囲カンジダ症は、直接的に人から人へ簡単に感染する病気ではありません。
カンジダ菌は通常、人の皮膚や粘膜、消化管内に存在する常在菌であり、特定の条件下で過剰に繁殖して症状を引き起こします。
◯うつる可能性があるケース
- 直接接触
- 肌が直接触れ合ったり、性的接触があったりすると、カンジダ菌が他人に移動する可能性はあります。ただし、それだけで感染症を引き起こすわけではなく、相手の免疫力や皮膚の状態に左右されます。
- 間接接触
- タオルや衣類、下着を共有することでカンジダ菌が移動する可能性があります。ただし、通常の免疫力を持つ人では、これが直接症状につながることは少ないです。
肛囲カンジダ症自体が直接うつる(感染する)病気ではありませんが、特定の条件が重なるとカンジダ菌が他人に伝播し、症状が出る可能性があります。感染を防ぐためには、清潔な生活習慣を維持し、症状がある場合は早めに治療を行うことが大切です。
肛囲カンジダ症の症状が改善しない場合は、どうすればよいですか?
症状が改善しない場合は、以下の対策を検討してください。
- 医師の診察を受ける
- 症状が長引いたり悪化したりしている場合は、早めに専門医を受診してください。視診や必要な検査を行い、カンジダ以外の皮膚疾患や基礎疾患の有無も確認し、最適な治療を進めます。
- 適切な治療薬の見直し
- 市販薬ではなく、医師の処方する抗真菌薬(外用薬や内服薬)を使用してください。すでに抗真菌薬を使用している場合でも、薬の種類や用量を変更する必要があることがあります。
- 生活習慣の見直し
- 清潔・乾燥を徹底します。再発しやすい習慣(長時間湿った状態を放置する、過剰な洗浄など)を避けます。
- ストレスや栄養状態の改善
- 免疫力向上のため、ストレスの軽減や栄養バランスの見直しを行います。
自己判断で治療を続けるのは避け、早めに医師に相談してください。正確な診断を受け、適切な治療を行うことで、症状の改善が期待できます。
肛囲カンジダ症を予防する方法はありますか?
肛囲カンジダ症を予防するためには、カンジダ菌が繁殖しにくい環境を作ることが大切です。
- 肛門周囲を清潔にし、洗浄後はしっかり乾かす。
- 汗をかいたら速やかに拭き取り、乾燥を保つ。
- 綿素材の下着を選び、締め付ける衣類を避ける。
- バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠を心がける。
- 抗生物質やステロイドを適切に使用する。
これらを日常生活に取り入れることで、肛囲カンジダ症を効果的に予防できます。