胃内視鏡検査(胃カメラ)
胃内視鏡検査(胃カメラ)とは、鼻や口から直径5mm〜9mmの内視鏡を挿入して、食道、胃、十二指腸を詳しく観察する検査です。
胃がんは、日本人に多い病気です。
進行すると手術が必要になりますが、早期に発見すると、内視鏡で治療することができます。
自覚症状があらわれる前に、定期的な健診をおすすめします。

消化器内視鏡専門医が、精度の高い胃内視鏡検査(上部消化管内視鏡検査)を行います。
- 直径5mmの超細径内視鏡(経鼻対応胃内視鏡)と直径9mmの通常内視鏡の2種類を採用し、可能な限り苦痛の少ない検査を行います。
- 患者様のご要望があれば、鎮静剤を使用して鎮静状態で検査を行うことができます。
- 検査当日に必要に応じてピロリ菌の抗体検査を行うことができます。
- 必要な場合には、生検(病変の一部を採って顕微鏡で詳しく調べる検査)し、病理検査を行います。
経鼻内視鏡検査と経口内視鏡検査


くるめ病院では、常に患者様の立場に立ち、肉体的・精神的苦痛の少ない胃内視鏡検査を行っています。
胃内視鏡検査は、「鼻から」と「口から」をお選びいただけます。それぞれには、メリット・デメリットがあるため、ご希望やご不明点などございましたら、お気軽に医師へご相談ください。
経鼻内視鏡検査(直径5mm)のメリット・デメリット
メリット
カメラの径が細いため、痛み、嘔吐反射を軽減できます。
麻酔に用いる薬が少量であるため、体への負担が比較的少ないです。
鎮静剤を使用しないことで、検査後に仕事をすることも可能です。
検査中に会話ができます。
デメリット
鼻の疾患のある方は、鼻粘膜が傷つく恐れがあります。
カメラの管や吸引管が細いので、食物残渣があると観察が不良になります。
鼻腔が狭い場合には挿入ができないことがあります。
鼻の麻酔(前処置)に10分程度の時間がかかります。
経口内視鏡検査(直径9mm)のメリット・デメリット
メリット
カメラの管が太く、ライトも明るいので病変をより鮮明に検査可能です。
鎮静剤を使用しなければ、検査後に仕事をすることもできます。
口から細い胃カメラを挿入することで、嘔吐反射を軽減可能です。
処置が必要な場合、カメラを変えることなく治療ができます。
デメリット
のどの麻酔薬の副作用で気分が悪くなることが稀にあります。
咽頭部を刺激するため、吐き気や苦しさなど不快感があります。
鎮静剤を使用した検査終了後に車の運転や仕事をされる場合、30分〜1時間程度休んでいただく必要があります。
胃内視鏡検査の流れ
検査前日まで

- 予約制のため、事前にお電話(0942-43-5757)にて、ご予約ください。
問診票は、「受診案内」からダウンロードできますので、ご自宅などで事前にゆっくりご記入いただけます。
- 検査前日の夕食は、なるべく消化の悪いものを控えて21時までに食べてください。それ以降は何も食べないでください。水・お茶は、普段どおりに飲んで構いません。
- 薬は、普段どおりに飲んでください。
検査当日
検査前
- 朝食は、絶対に食べないでください。
- 必ず内服が必要な心臓や血圧などの薬は、起床時に飲んでください。その他の薬は、飲まないでください。
- 検査1時間前まで、少量の水・お茶は飲んで構いません。
- 受付後に血圧測定を行い、検査室に移動します。状況により検査前の診察を行う場合があります。
- 問診・検査同意書に記入してください。
- 消泡剤を飲んで、胃の壁をきれいにします。
ここまでは、経口内視鏡検査(口から)、経鼻内視鏡検査(鼻から)同様です。
検査中

検査時間は、平均10分程度です。
※麻酔薬(キシロカインスプレー)には、アルコールが含まれています。アルコール過敏症の方は、事前にお申し出ください。
◯口から
のどの奥を麻酔薬(キシロカイン)入りの氷片及びスプレーで麻酔します。鎮静剤(注射)を希望された方は、検査直前に行います。
◯鼻から
鼻腔内と咽頭に麻酔のスプレーをかけます。
検査後
◯鎮静剤未使用の方
検査後すぐに医師からの説明があり、検査終了となります。
検査後1時間経過すれば、普段どおりに食事ができます。
◯鎮静剤を使用した方
検査後30分〜1時間程度安静が必要です。その後、医師からの説明があり、検査終了となります。
検査後1時間経過すれば、普段どおりに食事ができます。
後日

病理検査を行っている場合は、2週間以降に結果が出ますので、後日改めてご来院ください。
痛みや自覚症状のない時でも、胃内視鏡検査を受けた方がいいですか?
痛みや自覚症状がない場合でも、身体の中にはがんなどの異常が発生し、気づかないうちに悪化している場合は多いものです。身体の異常を解決するためには、早期に異常を発見して治療を行うことができるかにかかっています。
がんは、正常な細胞がさまざまな原因により「がん細胞」へと変化し、分裂を繰り返すうちに腫瘤(しゅりゅう)となって発症します。胃腸など消化器をはじめ、がんはかなり進行しても症状がない場合があります。腫瘤が目で発見可能な大きさになってから、あるいは痛みや自覚症状が出てからでは、ステージ(病期)が上がっているケースが多いのが現実です。
こういった理由で、何よりもまず無症状のうちに普段から定期的な内視鏡検査を受け、身体の異常をできるだけ早期に発見して、治療を行うことが望まれます。
胃X線検査(バリウム)と胃内視鏡検査(胃カメラ)の違いは何ですか?
胃X線検査は、胃の粘膜にバリウムを薄く塗った状態で写真を撮影し、写っているバリウムを観察します。
隆起があればバリウムをはじきバリウムが薄くなり、凹みがあればバリウムがたまり濃く写るという、いわば白黒の影絵を見ているようなもので、凸凹のない平坦な病変や、色の違いは認識できません。
一方、胃内視鏡検査(胃カメラ)は、胃の中をカメラの先から出る光で照らして、直接粘膜そのものを観察でき、色の変化やわずかな粘膜の隆起や凹み、模様の違いを認識することができます。
早期の胃がんは、病変がわずかな隆起や凹み、周囲の粘膜との色の違いとしてしか認識できないことが多いため、内視鏡の方が病変の指摘に優れていると言えるでしょう。さらに内視鏡では、がんが疑われた場合、その病変の組織を一部生検して病理診断を行い、確定診断をつけることができるのもメリットの一つです。
胃内視鏡検査(胃カメラ)は、実際どのくらい時間がかかりますか?
くるめ病院の胃内視鏡検査の場合、以下の目安時間がかかります。
状況によりお待ちいただく場合もございますので、あらかじめご了承ください。
- 受付・問診:10分程度
- 前処置:10分程度
- 検査:10分程度
- 安静:鎮静剤を使用した方は30分〜1時間程度(鎮静剤未使用の方は、検査後すぐに説明)
- 医師から説明:10分程度
※検査後1時間経過すれば、普段どおりに食事ができます。
内視鏡検査がとても辛くて苦手です。何か良い方法はありますか?
多くの方が胃透視(バリウム)よりも内視鏡の方が苦しいと感じています。
「こんな辛い検査は二度と受けたくない」とおっしゃる方がいらっしゃる一方、鎮静剤も使用せず「まったく平気です!」という方もいらっしゃいます。個人差が大きな検査であることは事実です。
内視鏡検査の辛さを緩和する良い方法としては、検査の際に鎮静剤(眠りぐすり)を注射することです。眠っている間、あるいはぼんやりした状態で、楽に検査を行っていただけます。
さらに、くるめ病院では、口から挿入する内視鏡よりも苦痛の少ない鼻から挿入する細い内視鏡(経鼻内視鏡)も行っています。喉の反射が強いなど、検査に不安を感じられる方は、検査を受けられる際に鎮静剤の使用や、経鼻で内視鏡検査が受けられるかどうかを事前に確認されると良いと思います。
胃内視鏡検査(胃カメラ)を受ける前後の食事に制限はありますか?
正確な検査のためには、胃内視鏡検査を行う際に、胃の中を「空の状態」にしておくことが必要です。
くるめ病院の胃内視鏡検査では、検査前日は夜21時までには夕食を済ませていただき、検査当日の朝食は抜いてください。
水やお茶は飲んでも大丈夫ですが、牛乳・ヨーグルト飲料などは控えてください。検査後1時間経過すれば、普段どおりに食事ができます。
組織採取など何らかの処置をした場合などは、医師の指示に従ってください。
胃内視鏡検査(胃カメラ)は、どのくらいの間隔で受ければいいですか?
次にどのくらいの間隔で胃内視鏡検査を受ければ良いかは、胃がんになる危険性が高いかどうかによって異なります。
◯ピロリ菌感染、萎縮性胃炎や腸上皮化生の所見があった場合
胃がんの早期発見を目的として、2年間隔での内視鏡検査をおすすめします。ピロリ菌を除菌した後も胃粘膜に萎縮性胃炎や腸上皮化生があった場合は、胃がんになる危険性はゼロにはなりませんので、同じように定期的な内視鏡検査をおすすめします。
◯ピロリ菌がこれまでに感染していない胃の場合
胃がんになる危険性は低いと言えますが、何か症状がある場合にその原因を調べるための内視鏡検査や、検診として内視鏡検査を行った場合は、くるめ病院では2年間隔での内視鏡検査をおすすめします。
◯早期胃がんの内視鏡治療を受けた方
胃の中で治療を受けた部位とは別に、5年間で10人に1人程度割合で、早期胃がんが発生する危険性がありますので、少なくとも1年間隔での内視鏡検査をおすすめします。
◯がんの危険因子がある方
1〜2年間隔での内視鏡検査をおすすめします。
咽頭がん・食道がん: 喫煙される方、飲酒される方、ストレス過多の方
胃がん: ピロリ菌感染、 喫煙される方、飲酒される方、ストレス過多の方